大阪都構想は反対多数の結果となりました。
この結果で改革が全く行われないわけでもありませんが、ここまでの動きを『不機嫌な時代―JAPAN2020』(ピーター・タスカ)の3つのシナリオにあてはめてみたい。
『不機嫌な時代―JAPAN2020』は1997年発行の本で、2020年の日本を3つのシナリオで予測しています。これは私の本ブログにも書きました。
3つのシナリオの詳細・比較はこちらのブログがよくまとまっています。
今回の住民投票の結果としては、構造改革は行われず、ゆっくりと衰退する「シナリオ3:長いさよなら」へ半歩進んだように思います。
何人かの小物投機家が国民の不満の標的にされたが、組織的な改革はまったくおこなわれなかった。それに、本気で改革を求める圧力もなかった。きわめて強力な政治力をもったグループが現状からうまい汁を吸いすぎていたからである。共生と調和と秩序の維持という大義名分のもとに、改革勢力は吸収され抑えこまれていった。
「共生と調和と秩序の維持という大義名分」は結果を受けてのインタビューでも「調和」という言葉が聞かれた通り。
大阪では本気で改革を求める住民投票があっただけ良かったのではないかな。改革が議題として上がった以上、全く何もしないわけにもいかない。大義名分のもと表立って議論もされず吸収され抑えこまれる方がずっと不幸です。
あらためてピーター・タスカ氏の彗眼に敬服いたしました。
そのピーター・タスカ氏の今年3月のインタビューでは2015年の日本経済に関しては強気。チャンスと見ているがインフレ率予測はやはり0.5%で2%は厳しいか。