新国立競技場は総工費1550億円上限で決まったそうです。
収容人数は6万8000人。横浜国際総合競技場(日産スタジアム)の7万2000人より少ない。もしかして、横浜国際総合競技場と同じもの建てればいいだけじゃぁ…
横浜国際総合競技場(日産スタジアム)の概要
ここで横浜国際総合競技場の概要を確認してみましょう。
設計期間:1991年8月~1993年10月(2年2ヶ月)
工事期間:1994年1月~1997年10月(3年9ヶ月)
観客席:72,327席
総工費:603億円
収容人数8万人でなくてもいいなら、このまま持ってくれば十分です。設計をそのまま使うなら設計期間2年をほぼすっ飛ばすことが出来ます。総工費に設計費も含まれているなら、それすら削ることが可能かも?
ちなみに新国立競技場は一説には基礎工事で300億円とも言われていますが、現状で残ってる基礎の利用も可能かもしれません。(既に撤去済みの可能性もあり)
横浜国際総合競技場(日産スタジアム)は芝の管理にも定評があります。2002年の日韓W杯プレ大会として行われた2001年のコンフェデレーションズカップ、準決勝のオーストラリア戦で大雨の試合を記憶している方も多いでしょう。大雨でも水溜りができることがなくちゃんとゲームができていました。
そのゲームは中田英寿のコンディションを考えたFKがゴールネットを突き刺し勝利しています。
中田英寿のフリーキック 2001コンフィデレーションズカップ hidetoshi nakata - YouTube
この芝含めて横浜国際総合競技場を建設すると考えれば悪いことではありません。
基本設計・躯体以外は建設しながら変更可
建設を進めつつ、内装や外観などは横浜とは違うものにすればいいと思います。耐震設計など時間がかかるものさえすっとばせればいいのです。削ると言っていた空調は逆に導入してもいいと思います。
20年前の総工費600億円は現在の建材費と人件費では1.5~2倍になるかもしれませんが、それでも1200億円で済みます。また横浜国際総合競技場で採用されたプレキャストプレストレストコンクリート造は、工場でコンクリートを製造し、現場では組み立てを行うもの。現場でコンクリートを打つ場合は天候に左右されますが、プレキャストコンクリートは左右されません。工期短縮の可能性もあります。
横浜国際総合競技場を建設した竹中工務店他がまたJVを組んで低価格・短工期を打ち出して入札したら確実に勝てると思います。外観はちょっと工夫して同じものとは思えないようにすればいいかと。
竹中工務店建設のガンバ大阪新スタジアムは9/30完成
同じ竹中工務店建設・プレキャストコンクリート使用のガンバ大阪新スタジアムが現在建設中ですが、9月30日竣工予定が発表されました。
収容人数4万人で建設費は140億円。収容人数も違えばサッカー専用と陸上競技場の違いもあるので単純比較はできませんが、新国立競技場の騒動のおかげで「こんなに安く造れます」の事例として時折マスコミで紹介されています。
ちなみに、このスタジアムのコンパクトさを示す例として、横浜国際総合競技場の観客席最前列とガンバ新スタジアムの観客席最後列からサッカーのピッチまでの距離がほぼ同じと言われています。(ゴール裏の場合)
まとめのようなもの
2002年日韓W杯用に造られたスタジアムの中には、風通しの悪さから芝の根づきが悪くサッカーやる上であまり嬉しくない状態のスタジアムもありますし、水はけが悪い競技場もいくつかあります。
その中で横浜国際総合競技場は非常に高いレベルで整備されているのがこれを推す最大の理由です。実績のあるものをそのまま使うというのは、競技者視点で見れば悪くないことと思います。もちろん改善点がわかっていればそこを改善すればなおよし。全く新しいものを造る余裕はありませんしね。