日本はIT大国と思っている方が多いと思います。IT機器を作る上で必要な部品は日本のメーカなくして語れません。携帯電話の普及率も高いのですが、逆にこれが仇となって家庭のパソコン普及率は低い。つまりパソコンを使える人は他の先進国ほど多くない。それは学生レベルにおいても。
デジタルネイティブ世代ならパソコン教室に行かなくても使いこなせそうなものなのに、現実にはパソコン教室はCM打ちまくって盛況です。学校教育での教え方にも問題があるのだと思いますが、家庭で使ってれば覚えそうなもんなんですけどねぇ。
学生がこれなら当然年配になるほどパソコンスキルが低い
当然、パソコンが使えない人は年齢が上がるほど増えるものです。昔からアルファベットが並んだキーボードに対して抵抗感がある人も多い。携帯電話はその抵抗感をなくしてくれるので便利だったのかもしれません。
当然、業務への導入も中小零細企業ほどIT導入が遅れています。軽減税率導入はインボイス方式導入してれば簡単にできるのに、できないのはIT化の遅れのせい、というのが以下の記事。
たしかにこれは言えることです。ただ、IT化の遅れの原因は個人のスキルの問題だけでもない。
企業におけるIT化の遅れの原因は財務省にもあるのでは?
原因の一端は財務省にもある。その理由は中小零細・個人事業主がパソコン導入に財務・税務的ハードルがあったことです。むしろメリットがあってもいいくらいなのに。
現在、法的に固定資産となるパソコンの耐用年数は4年。つまり減価償却を4年でします。20万円以下なら3年一括償却、10万年以下なら少額減価償却資産として単年度償却できますが、ソフトウェアやプリンタなどとシステムで購入したらシステム全体で一つの資産扱いが求められます。さらに2000年くらいまでは耐用年数は6年でした。
財務省がイメージしていた「電子計算機」はメインフレームの大型計算機やオフコンだったのでしょう。1980年代はそれでも良かったのですが、2~3年で陳腐化したり、HDDが壊れたりするパソコンでも十分使える今では6年はもちろん4年でも長い。とにかく、社会の変化に対して税制の対応が遅かった。
10年ほど前に景気対策の一環で、30万円未満なら少額減価償却資産として単年度償却できる時限特例がありました。パソコンなどに限りこれを恒久化すれば良かったのに。
こうなってしまったのはもうしょうがない
今からIT先進国にするのには時間がかかります。軽減税率導入は非常に難しいということ。かといって財務省案のポイントカードシステムはバカバカしいので辞めて欲しい。ましてや「軽減ポイント蓄積センター」(仮称)という天下り先を作るとか…。
消費税とは別の問題として、日本がIT後進国である認識はもっと共有しないといけませんね。