大手コンビニ5社が2025年までにICタグを使った無人レジの実用化を進めるとのニュースが流れました。
技術的には既に実証段階にあります。ただしこれで店舗を完全に無人化するわけではないでしょう。現在スーパーでも様々な対応のため数台の無人レジに1人を付けています。トラブル時のことを考えれば完全無人化は困難です。
電子レンジを客に自由に使わせるのも危険です。お弁当の上についたマヨネーズを載せたまま電子レンジにかけたりしたら…各地で電子レンジ内で爆発事故が多発するかもしれません。
さらに現在のコンビニのサービスはパッケージに入ったモノの販売だけではありません。
- 税金・公共料金の支払い
- 宅配荷物の引取り・受取り
- チケット販売
- タバコ・酒類の販売(深夜販売)
- おでんや肉まん、からあげなどのレジ横での販売
ICタグで全てのものが対応できないし、無人レジを使えない人もいます。有人レジと無人レジを並立させることになるでしょう。それでも省力化には繋がります。ICタグは有人レジを通す際のスピードアップにも寄与します。
ハードルはコスト
ICタグで最小のものは1ミリ四方のものまで出来ています。小さなシールにして貼るだけで対応できるだろうとは思います。
しかしICタグのコスト自体がまだ1個10円レベル。普及でもっと安くしようというのが今回の狙いだとはいえ、安いものでは50円以下の商品も扱っているコンビニでは5円でも高すぎ。
さらに、そのICタグを誰がどうやって付けるのか?というのもハードルになります。
かつての値札のように店舗で商品一つ一つに付けるのだとすれば、店舗側はコストが跳ね上がります。また、貼り忘れや貼ったタグのミスも起きるでしょう。
商品製造段階でバーコードのように付けるのが一番。シールを貼っている商品ならそのシールにICタグを入れればいいだけなので製造コストは上がりません。
しかしそれができない商品では? 例えばパンのように袋に入れただけの商品にわざわざシールを付ける工程を入れるのであれば、製造コストがアップします。
このコストが一番のハードルになるでしょう。
他に予想されるトラブル
ICタグを電子レンジに入れると破壊してしまうそうです。会計が終わった後なら問題はないと思いますが、熱を持ったりしないのか、が気になります。
薄い袋に入った商品に貼ったICタグが電子レンジで熱を持ち、袋を溶かして食品に落ちてしまったら・・・というのが私の懸念です。電子レンジ内で火花が散る可能性もあるかもしれません。電子レンジに金属を入れてはいけないのです。
コンビニの商品には電子レンジを使うものが多いため、気をつけなければいけません。
さらには、「針混入」のようないたずら行為の代わりに「ICタグ混入」といういたずらをする人がでるかもしれません。
シール型なら、高い飲料と安い飲料のICタグシールを張り替えるなども簡単に出来てしまいます。張り替えにくいシールを使うとコストがアップするというジレンマを抱えることに・・・
“日の丸”ICタグ構想ですから・・・
これも政府主導の「“日の丸”ICタグ構想」の一環なのでしょうか。
「“日の丸”ICタグ構想」と言われると成功するイメージが沸かない…私だけかもしれませんが。
普及して安くして、世界に売り込みたいという狙いだと思います。服などある程度の価格でタグを付けやすい商品には良いと思いますが、コンビニの商品は色々とハードル高いのではないかと。