派遣法改正の中で「雇用の流動性」という言葉を使う政治家がいます。派遣法改正しても安定雇用(大企業の正社員や公務員)と不安定雇用が乖離して全体として流動性が高まることはないんじゃないかと。今でも中小企業では流動性は有る方ですし。
日本で必要なのは、違う職種へ転職して雇用のミスマッチを改善するような流動性がですが、そちらの改善アプローチはまだまだですね。
そしてそのようなチャレンジをする転職に踏み切るには勇気がいりますが、それに対して長期雇用(終身雇用)の方が税制上も得になっていて、雇用の流動性を高めたいとは到底思ってないのではないかと。
退職所得控除額の計算方法
No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|所得税|国税庁
退職金には特別な控除があります。
- 勤続年数が20年以下の場合
40万円×勤続年数(80万円に満たないときは、80万円) - 勤続年数が20年を超える場合
800万円+70万円×(勤続年数-20年)
そもそも退職金がない非正規の人はこの控除を受けることがありません。これがあるだけも税金で得をしているわけで、さらに20年以上勤務で大きく得。これで大きく得をするのは大企業や公務員で40年近く勤務する人でしょう。
天下りで退職金をもらう理由
(退職金-上記控除額)÷2=課税所得
になります。課税対象はさらに半分になるのです。天下りした官僚が何社も渡り歩きながらその都度退職金をもらうことがありますが、これが天下りで渡りをするメリットの一つでした。この天下りで役員などを短期で渡りを繰り返す場合の税制にはメスが入りました。
新たな財源になるかも?
雇用の流動性を高めたいならこれにメスを入れるべきです。少なくとも年数関係なく1年あたり40万円でいいでしょう。40年勤務で1600万円まで非課税。中小企業ではこれ以上もらう人はそれほど多くありません。
本当は団塊の世代が退職金をもらう時に税制を変えておくべきでした。もっと税金とれていたのに。
増税したら大企業の組合と公務員の組合が大反対必至。でも退職金をもらうことのない非正規で働いている人からすればこの控除は不公平な特権です。本来なら毎年貰ったという扱いで課税されていてもいいはずのもの。それを一度にもらうと税率が高くなるので税率に対しての考慮は必要ですが、ほとんど非課税になるのは特別扱いしすぎではないかと。