神戸製鋼、日産と立て続けに検査での不正が発覚し、「偽装大国・ニッポン」が益々目立っています。
神戸製鋼にいたっては40年前から行われていたとの証言も出てきているので、もはや伝統。「日本のものづくり」の凋落は今に始まったものではなく、ずっと前からあったことがここにきて顕在化しただけなのかもしれません。
メディアでは「日本のものづくりがスゴい!」が売れる
しかしテレビ番組で「日本のものづくりがスゴい」とか「日本の中小企業の技術がスゴい」とかが増えています。
確かにスゴいものづくりをしている企業があるのは事実。ただそれは一部であって全体としてみたらどうなの?
大企業のメーカーが不祥事や経営が傾いたりしてるし、中小企業で本当にスゴい技術を持っているのは一部の話。多くの中小企業がただの下請けで大企業から常に値下げを求められたりしています。
メディアがまるで全部がスゴいような伝え方をしていていて、もにょるのは私だけでしょうか。
「よかった探し」と考えればいいのでは?
これを『ポリアンナ物語』でおなじみの「よかった探し」だとすれば、ポジティブで良いのではないか?
そういう捉え方もできますが、「よかった探し」のやり過ぎは現実逃避をさせてしまうかもしれません。それは『ポリアンナ症候群』として定義されています。
- 「直面した問題の中に含まれる(微細な)良い部分だけを見て自己満足し、問題の解決にいたらないこと」
- 「常に現状より悪い状況を想定して、そうなっていないことに満足し、上を見ようとしないこと」
日本のものづくりはまだまだ世界的に良い業界・企業もありますが、もはや世界より劣っている企業もあります。下請けで苦しんでいる中小零細企業もたくさんあります。
玉石混交なので「日本のものづくりがスゴい」と十把一絡げにするのではなく、具体的にどの業界やどの企業がスゴいかで示してもらいたいものです。
もちろん「よかった探し」はほどほどに。