すみません、勝手に東京オリンピックのテーマを作りました。オリンピックのテーマは表立って宣伝されてはいません(ないのかも)。元ネタは大阪万博のテーマ「人類の進歩と調和」です。
新国立競技場とエンブレムの騒動に垣間見える再分配同盟
「再分配同盟」とはピーター・タスカ著『JAPAN2020 不機嫌な時代』で既得権益を分け合う集まりです。この本では「繁栄した社会が既得権益によって変化できなくなり衰退するのは日本に限らない宿命」と分析されています。
新国立競技場・エンブレムともに選定過程がクリアではなく、公平かどうかは別にして業界の権威とされる人たちの認識が一般人の認識と大きく乖離し、さらに業界内部の論理が選定に大きな影響を及ぼしていると感じさせます。まさに「再分配同盟」です。
能力よりコネが勝つ社会なのか
五輪招致活動のエンブレムは当時女子大生がデザインしたものでした。
本大会エンブレムはまず応募条件で決められ、参入障壁が儲けられました。結果は打って変わって華やかさのない暗いものに。コネが勝ったのかと思っている人が多いはず。コネが全くない社会もありえませんが、コネがあまりに幅を利かせてしまうと「能力があってもだめ」と最初から諦めるようになります。
これが「変化できなくなる社会」。既得権益を持ってるのは権力も持っている人たちかそれに近しい人なわけで、わざわざ手放そうとはしないでしょう。だからこれが解消される方向へは向かいにくい。そして衰退へ向かうことになります。
奇しくも2020年の日本を予測
この本は奇しくも2020年の日本を3つのシナリオで予測したものです。私はゆっくり衰退シナリオを予測していますが、東京五輪のお金の使い方を見ていると、財政崩壊シナリオの可能性も感じさせます。