無職の分際で言いたい放題

自称セミリタイアの40代無職引きこもり独身男が言いたい放題

最低賃金を1500円にすると起きうることを考えてみた

先日「最低賃金を1500円に」というデモがありました。これは日本だけでなく、世界各国(先進国)で行われています。

news.careerconnection.jp

もちろん、いきなり明日から1500円にするのは不可能なので、毎年100円ずつ上げていく形を取ります。

与党・自民党最低賃金を全国平均で1000円にする政策を考えているようで、こちらは2020年に平均1000円なら毎年50円くらいでしょうか。

www.sankei.com

最低賃金を上げていったら起きることを考えてみる

最低賃金を上げると、雇用が減る、インフレになるとまるで脅しのように言って反対する人もいます。でも他にもいろいろな変化が起きるのは間違いのないことです。

それを私なりに考えてみました。

雇用が減る

最も言われるのがこれ。時給1000円で雇ってた人が1500円になったら、3人を2人に減らす? それができるならもうやってないとおかしいでしょうw

本当にあるとすれば

  • 機械に置き換えて人を減らす
  • 24時間営業や深夜営業などを減らす
  • 店をたたむ

こちらの方ですね。雇用が減る一面があることは間違いないです。でも日本は今人手不足でしたよね。機械に置き換えて生産性を上げることになれば素晴らしいことです。設備投資も増えるわけですね。

インフレになる

これが次によく言われることです。まるで脅しのように。

あれ?日本はデフレなのでインフレにしたいと政府が必死になってましたよね。いいことじゃないですかw

インフレになる要因を考えると

  • 賃金上昇で所得が増えた人の消費が増えての需要増
  • 人件費高騰からの値上げ

この2つです。最低賃金の上昇率>物価上昇率なら最低賃金で働く人の生活は苦しくなりません。ガソリンや光熱費など人件費比率が低いものは上昇率が低く抑えられます。

物価上昇率で生活が苦しくなるのは、最低賃金ほど賃金が上昇しない正社員や、年金・貯金で暮らしている高齢者かもしれません。

人手不足になる

雇用が減るという話をしたのに変かもしれませんが、これは専業主婦のパートを多く使っている職場で起こることです。

厚生年金加入者の夫を持つ専業主婦(専業主夫)は「年間103万円の壁」を意識して働きます。時給がアップすると労働時間を減らすことになるので、結果として人手不足になります。

その中から、壁を超えてたくさん働く人も出てくると、厚生年金の加入者が増えます。税収も上がります。

また、学生アルバイトも授業料を稼ぐために働いている人なら、働く時間を減らせます。これも人手不足に繋がります。

つまり雇用の人数が増える職場もあるということ。影響は雇用減だけではないのです。

企業の収益悪化

企業は値上げと需要増から売上増・人件費高騰から利益減、つまり増収減益になりそうです。

人件費比率が高い企業では倒産が出るかもしれません。この中で生産性を高めた企業が生き残ります。これが本来あるべきことですね。

派遣会社は派遣労働者の「賃金上昇分+利益」を派遣先企業に要求しきれず、利益率を落とさざるを得なくなります。今の利益率が高過ぎと言われているのでいいことですね。派遣会社の淘汰も進むでしょう。

ブラック企業が増える

パートの人手不足を「名ばかり管理職」の正社員のサービス残業で補うとか、アルバイト・パートにサービス残業をさせるブラック企業が増える可能性はあります。

また、最低賃金が適用されない「個人事業主との請負契約」形態にするブラック企業が増える可能性もあります。

違法な場合はどんどん検挙するしかありませんし、他に1500円の仕事があるなら、と転職しやすいことが一番効果的とも言えます。

税収が増え、社会保険財政も改善

賃金の増加=税収増、社会保険料増になるため、財政は改善へ向かいます。インフレは借金を減らし、消費税収も増えます。法人税収は減るかもしれません。

また先ほど述べたように厚生年金加入者が増え、年金の第3号被保険者が減れば年金財政も改善します。

商業用不動産の収益悪化

収益が上がらない店が撤退すると、空きテナントが増えて商業用不動産市場は悪化します。それは不動産の価格下落にも繋がるかもしれません。

1~2人向け賃貸物件は逆にいい所に引っ越しをする人が増えて活況になる可能性があります。

深夜営業・24時間営業が減り不便に

小売・飲食などが深夜・24時間営業をするのは、休んでいても営業しても不動産の賃料や固定資産の償却費は同じだから。人件費・光熱費がかかっても利益が出るなら深夜・24時間営業をした方が得と考えます。

しかし人件費が上がりその時間赤字になるならやる意味がなくなります。夜型人間は不便になることを覚悟した方がいいでしょう。

まとめのようなもの

メリット・デメリット両方ありますし、それは立場によって変わるだろうと思えます。

今の日本では「デフレ脱却・人手不足解消・財政健全化」というメリットは大きいのではないでしょうか。 

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ブラック企業大賞2015発表!

11月29日、ブラック企業大賞2015の発表が行われました。

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ブラック企業大賞セブン-イレブン

各賞は以下の通りです。

ウェブ投票では引越社とセブン-イレブンが2強だったようです。

セブン-イレブンに若干の違和感が残るのは、対象がフランチャイズオーナー(店主)であって、厳密な労働者ではなく「労働組合法上の労働者」ということ。それについてはノミネートの時点にも書いた通りです。

bunzai.hatenablog.com

引越社関東の票が伸びたのは、やはりあの動画の影響でしょうね。それに対しては反論も出ています。

引越社関東からは反論も

nikkan-spa.jp

労働基準監督署から指摘された深夜残業の未払いと過重労働のそれぞれ1件ずつの違反行為は認め」てるので、「ブラック企業」なのは間違いのない事実のようです。

動画の影響が大きかったと思ってるようですし、声が大きくなったのはしょうがないとイイワケをしていますが、あの言葉遣いは普段からやってるからじゃねーの?って多くの人が思ったことであって、決して声が大きいだけの問題じゃぁないですね。

問題の発端となった社員の一方的な言い分があるようなので、どんどん情報を出して欲しいし、違反がどう改善されたのかもどんどん情報を出すべきですね。訴訟になってるし裁判所で決着すればいいと思います。事故を起こした時に弁済金を給与から天引きしているという件についても詳しく情報を開示して欲しいところですし。 

ブラック企業大賞2015にジョイフルオーナー・穴見陽一衆院議員をゲストとして招待しよう!

ファミリーレストラン「ジョイフル」で店長として勤務していた男性が過重労働で会社を提訴した件「ジョイフル」のオーナーが自民党議員・穴見陽一であることから「第二のワタミ」となりそうな雰囲気です。

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ジョイフルの過重労働はどんなものだったのか

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訴状によると、男性は平成19(2007)年4月、大阪府内の店舗で店長になった。25年7月の会議後に突然意識を失って入院。心室細動で一時心肺停止となり、現在も体内に除細動器を埋め込んでいる。男性は昨年4月に復職したが、同10月に労災認定され、その後退職した。

 男性は店長としての通常業務だけでなく、突然いなくなった深夜勤務のアルバイトの穴を自ら埋めるなどしており、発症3カ月前は休みなく出勤。会社に正確な勤務時間の記録はなかったが、妻へのメールなどから推計して時間外労働は月平均120時間以上に及んだとして、業務と発症の因果関係は明らかだと訴えている。

 既に労災認定は受けている模様。一時心肺停止とか…一つ間違ってたら死んでいたというか、むしろよく助かったものだというレベルですね。

ジョイフルオーナーである穴見陽一自民党衆議院議員とは

穴見陽一衆議院議員は2012年の衆院選で当選して現在2期目、株式会社ジョイフル代表取締役相談役も務めています。

自民党公認 衆議院議員 穴見陽一 オフィシャル ホームページ

によりますと、確かに自民党政務調査会・雇用問題調査会 幹事になっていますし、超党派議員連盟ではILO活動推進議員連盟 事務局次長も務めています。

安倍総理が打ち出した「最低賃金の年3%引き上げ」は賛成するのか?

昨日、安倍首相は最低賃金を「年3%引き上げ」で加重平均で1000円を目指すという目標を打ち出しました。

www.sankei.com

当然、財界からは反発の声が出ました。「中小零細企業は厳しい」と財界の大物が言ういつものイイワケですけどね。おまえらが普段から中小零細の下請けをいじめてるせいじゃないのかと。

一方、大企業でも流通や飲食などアルバイトを多く使っているところは少なからず影響がでると思います。例えばファミレスですね。ジョイフルがバイト募集で掲げている時給を調べてみると…

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東京都青梅市では東京都の最低賃金907円ピッタリで募集されていました。

23区内では1200円の募集もあり、地域によってかなり幅があるようですが最低賃金でやっている店で、最低賃金の上昇は価格に反映させるか悩ましいところでしょうね。

これに対して、雇用問題調査会幹事である穴見陽一氏がどういう意見を出すか、注目になってきました。

ブラック企業大賞にゲストとして呼んでみては?

ブラック企業大賞2015は、今週末の11月29日に発表の予定となっています。ジョイフルが追加ノミネートされる可能性もありますが、とりあえず自民党の雇用問題に詳しい議員の代表として、穴見陽一議員をゲストとして招待状を出してみるのはどうでしょうかね?

 

第4回 ブラック企業大賞2015のノミネート企業発表が発表されました

今日、10/27にブラック企業大賞2015のノミネート企業発表が発表されました。

ブラック企業大賞: 第4回 ブラック企業大賞2015 ノミネート企業発表!

ノミネートは以下の6社。

  1. 株式会社セブン-イレブン・ジャパン
  2. 暁産業株式会社
  3. 株式会社フジオフードシステム
  4. 株式会社エービーシー・マート
  5. 株式会社明光ネットワークジャパン明光義塾
  6. 株式会社引越社関東

このうち、フジオフードシステムエービーシー・マート、引越社関東については私が以前勝手にノミネートしたのと同じ。

bunzai.hatenablog.com

もう一つノミネートしていたDWE JAPAN(しゃぶしゃぶ温野菜FC運営会社)が入ってないのはなぜなんだろう? 団体交渉を10分で退席するなどのブラックぶりが続いているのに。

blackbeitunion.blog.fc2.com

私がノミネートしていなかった3社について個人的なコメントします。

株式会社セブン-イレブン・ジャパン

これは「フランチャイズに加盟する店主」に対するものなのでブラック企業としてはやや微妙な位置です。フランチャイズに加盟する店主は個人事業主であるので、労働基準法の労働者ではないが、労働組合法の労働者であるという立ち位置になります。

労働問題と捉えるのがいいかどうかは別ですが、これも下請けいじめの一種で、三井不動産マンションに見られる日本の下請け構造からくる問題の一つだと思います。

blog.livedoor.jp

暁産業株式会社

1951年設立の中小企業がなぜこんな?と思うパワハラ事件ですねぇ。上司個人によるものだけなのか、会社全体がおかしくなっていたのか。これはよくわかりません。

株式会社明光ネットワークジャパン明光義塾

これは昨日(11/26)、賃金未払いがあったとして、仙台労働基準監督署が是正勧告をおこなっていたことが明らかになったばかりです。

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個別指導塾のバイト大学生が労働組合を組織したのは今年6月で、その成果かもしれません。個別指導塾に限らず、学習塾は教える時間にしか賃金が支払われずそれ以外の準備時間はカウントされないと訴えてる人が多いので、今後の動きが注目です。

www.j-cast.com

追加ノミネートもあるか?

発表と授賞式は11月29日(日)です。しゃぶしゃぶ温野菜FC運営会社については今後の動き次第で追加ノミネートされる可能性もありますね。

ブラック企業大賞2015は今年も行われるようです

先日、「ブラック企業大賞2015が行われる気配がない」などと書いてしまいましたが、どうやら今年は11月に開催されるようです。

2015年 ブラック企業大賞 ノミネート企業 徹底解剖! – LOFT PROJECT SCHEDULE

今年で4年目を迎えた「ブラック企業大賞」。

ノミネート企業の発表は、10月27日(火)です。その日の夜に、発表したばかりのノミネート企業について、実行委員がその理由や背景をお話します。(例年通り、ウェブ投票もありますのでご参加ください!)。

授賞式は11月29日(日)となります。

11月末の発表までにダークホースが現れるかも?

10月27日 ノミネート企業発表・徹底解剖

11月29日 授賞式

このスケジュールですが、ブラック企業大賞2014では授賞式の直前に追加ノミネートが行われました。つまりこの先一ヶ月で新たにブラック企業が暴かれてノミネートされる可能性も十分ありますね。

果たして私が勝手にノミネートした企業はノミネートされるのか? 今は10月27日のノミネート企業発表を楽しみに待ちたいと思います。

 

bunzai.hatenablog.com

ブラック企業大賞2015が行われる気配がないので、勝手にノミネートしちゃうゾ

ブラック企業大賞は過去3回で「ブラック企業」を世にしらしめる大きな役割の一端を担ったと思いますが、2015年分は行われる動きが全くありません。それでは寂しいので勝手にノミネートしてみたいと思います。

ノミネート No.1:ABCマート

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東京労働局・過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」によって書類送検された案件です。月100時間を超える時間外労働が常態化していたことが「かとく」の動く理由であった模様。

日本テレビ上重聡アナウンサーがABCマート社長から利益供与を受けていたため、「社員の犠牲で高級マンションに」と話題にもなりました。

ノミネート No.2:フジオフードまいどおおきに食堂

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ABCマートとおなじく「かとく」が動いた案件。こちらは大阪労働局・過重労働撲滅特別対策班で、月100時間を超える時間外労働での摘発の上、残業代未払いもある模様。勤務時間改ざんを「空気感でやった」と言うあたり、空気で動く日本の闇を感じさせます。

ノミネート No.3:DWE JAPAN(しゃぶしゃぶ温野菜FC運営会社)

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連続勤務や自腹購入の労働基準法違反どころか、強要罪・脅迫罪に問われてもおかしくない案件になっています。この運営会社と個人加盟ユニオンとの団体交渉が進展中ですが、かなり凄い展開になっている模様。

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ノミネート No.4:アリさんマークの引越社

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こちらは長時間労働・残業代未払いから個人加盟ユニオンに入ったらシュレッダー係にされるなど嫌がらせ、現在裁判中という案件。


アリさんマークの引越社「追い出し部屋」事件 社前抗議行動 2015年10月1日 懲戒解雇撤回される ...

まとめ

とりあえず目立ったものだけしか挙げれれませんでした。とくに今年夏以降のものばかり。ノミネートされるべき会社が思いついたらまた追加したいと思います。

それよりブラック企業大賞2015やってほしい。

追記

ブラック企業大賞2015は11/29に発表されるそうです。

bunzai.hatenablog.com

最低賃金を上げて雇用が減るなら人手不足解消していいんじゃね?

www.bengo4.com

こちらの記事の試算がそのまま正しいとも思いませんが、巷で言われる「最低賃金を上げると雇用が減る」も正しいと思いません。

最低賃金を上げると人を減らして対応

これはよく思われがちです。人件費総額が決まっているから人を減らして対応する。そういう考え方でしょう。

でも考えてみれば、人を減らしても対応できるならもうとっくにやってないとおかしい。小規模の会社なら別です。大手チェーンが人減らせるのに減らしてないわけがない。簡単に利益が増やせるのに。

それをしないのは、既にやるべきことはやっているから。コンビニだってシフトで回す人数を2人から1人にすることはできません。あ、ギリギリまでそれをやってブラック企業と言われたすき家という例はありました。

つまり人を減らして対応するのは比較的小規模な会社や商店。ただそのために生産性を上げるなら実は悪くない話です。

人件費増を価格に反映させると売上ダウン

この可能性は否定できません。人件費増による値上げは国内等しく行われることになり、その値上げ幅をどれだけ圧縮できるかは企業の生産性の高さによります。生産性の高さの勝負になり、本来の正しい競争の姿になります。

逆に賃金増が需要を喚起するので売上げアップも想定されます。トータルでプラスマイナスは接近するでしょう。こうしてインフレになることが政府・日銀の狙い通りであって、今必死になってやっていること。

最もありそうな変化は営業時間の短縮か?

人件費の高騰で一番最初に考えることは、深夜営業の短縮かもしれません。売上の低い時間の経費増(利益減)が考えられます。この部分の労働時間短縮、一部雇用削減が一番影響が大きいかもしれません。

でもそろそろ24時間・長時間営業は見直す時期に来てるんじゃないですかね。長時間営業を特長とする一部の店舗の存在は必要ですが、どこも同じことをやらない方がいいと思います。労働時間の短縮になれば非常にいいことです。

最低賃金引き上げどんどんやるべき

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7月29日に中央最低賃金審議会が出した目安は平均18円増。人手不足なんだからもっと上げてもいいくらいですね。「(人手が)足らぬ足らぬは報酬が足らぬ」。そして生産性を上げる工夫をするのが一番いい。

gendai.ismedia.jp

bunzai.hatenablog.com

派遣労働者と中小零細下請け企業の共通点

派遣法改正案の決議で揉めています。

これが通った場合の「派遣労働者を使う企業から見てのメリット」を考えてみると

  1. 特定の業務・ポジションを派遣労働者用として固定可能
  2. 能力の低い労働者はチェンジ
  3. 都合の悪い労働者はチェンジ(ブラック企業
  4. 常に「契約を切る」というカードを使える(ブラック企業

1が最大のメリットです。日本では派遣にすることで人件費を安く抑えることができます。仮に企業から派遣会社に払う費用が直接雇用する場合の賃金・法定福利費と同じだとしても、採用にかかかる費用や退職金、その他福利厚生費などの分は不要になります。定期昇給・ベースアップを抑えることも可能(経済状況による)。

2のメリットは正社員が切れないことが原因でわからないでもないです。

3,4を使うのはかなり悪どい企業だと思いますが、これがタイトルの中小零細下請け企業との共通点になります。

そう、下請け企業に対して「仕事無くなって倒産してもいいのか?」という脅しのカードを使って値下げや消費税分を飲ませるなど無理難題を押し付けています。これはブラック企業に限らず大手企業ですらやってる事例があります。

下請け企業には下請法があるのだが

下請け企業は下請代金支払遅延等防止法(下請法)で保護はされているのですが、それでも苦しい思いをしている会社が多いのが実態。

下請代金支払遅延等防止法 - Wikipedia

事業者が下請事業者に委託業務を発注する場合、親事業者が優越的地位にある。そのため、親事業者の一方的な都合により、下請代金が発注後に減額されたり、支払いが遅延することがある(優越的地位の濫用)。そこで、下請取引の公正化を図り、下請事業者の利益を保護するために、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特別法として制定された。

派遣労働者も同じ立場にあり、苦しい思いをする構造は共通しています。

そもそも派遣も下請けも悪いものじゃない

対等に近い立場であればこのようなことは起こりません。しかし優越的地位が存在し、それを濫用する会社が多い実態が問題です。

日本の場合は優越的地位の濫用を取り締まり方も甘いし、派遣労働者も中々声を上げづらい。派遣労働者は組合が全くと言っていいほど機能しておらず、同一価値労働同一賃金なんて遠い話。一旦レールから外れると戻るのが大変な社会全体の問題もあります。この環境で派遣を特定26業務以外に広げたところから間違っていたと言えるし、さらに拡大するのは危険です。

制度が悪いのではなく運用が悪いだけなのですが、運用をどうにかできるかっていうと無理でしょうねぇ。結果、企業にメリットばかりの法改正になってしまう。

せめて、派遣で3ヶ月働いたら自己都合退職でも1ヶ月失業保険を待機なしで貰えるようにしませんかね。労働者側の「辞めるカード」を使いやすくすれば変わります。

(人手が)足らぬ足らぬは報酬が足らぬ

人手不足のニュースがなくなりそうもないので 「(人手が)足らぬ足らぬは報酬が足らぬ」というスローガンを思いつきました。

元ネタはもちろん国民精神総動員で使われた戦意高揚スローガン「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」です。

国民精神総動員とは

国民精神総動員 - Wikipedia

国民精神総動員(こくみんせいしんそうどういん)は、第一次近衛内閣が1937年(昭和12年)年9月から行った政策・活動の一つで、「国家のために自己を犠牲にして尽くす国民の精神(滅私奉公)を推進した」運動。略して精動とも言った。

 まさにブラック企業の考え方。そのスローガンはよく知られたものも多いです。

  • 欲しがりません勝つまでは
  • ぜいたくは敵だ!
  • 日本人ならぜいたくは出来ない筈だ!
  • 足らぬ足らぬは工夫が足らぬ
  • 遂げよ聖戦 興せよ東亜
  • 聖戦だ 己れ殺して 国生かせ
  • 進め一億火の玉だ
  • 石油の一滴、血の一滴
  • 全てを戦争へ

このスローガンをブラック企業経営者向けに作り変えよう

  • (会社経費で)ぜいたくする経営者は敵だ!
  • 経営者なら(会社経費で)ぜいたくは出来ない筈だ!
  • (人手が)足らぬ足らぬは報酬が足らぬ
  • 聖戦だ 己れ殺して 従業員生かせ
  • 利益を従業員給与へ

 全部は思いつかなかった…(´・ω・`)

雇用流動性を叫ぶなら、先ず退職金課税を変えよう

派遣法改正の中で「雇用の流動性」という言葉を使う政治家がいます。派遣法改正しても安定雇用(大企業の正社員や公務員)と不安定雇用が乖離して全体として流動性が高まることはないんじゃないかと。今でも中小企業では流動性は有る方ですし。

日本で必要なのは、違う職種へ転職して雇用のミスマッチを改善するような流動性がですが、そちらの改善アプローチはまだまだですね。

そしてそのようなチャレンジをする転職に踏み切るには勇気がいりますが、それに対して長期雇用(終身雇用)の方が税制上も得になっていて、雇用の流動性を高めたいとは到底思ってないのではないかと。

退職所得控除額の計算方法

No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|所得税|国税庁

退職金には特別な控除があります。

  • 勤続年数が20年以下の場合
    40万円×勤続年数(80万円に満たないときは、80万円)
  • 勤続年数が20年を超える場合
    800万円+70万円×(勤続年数-20年)

そもそも退職金がない非正規の人はこの控除を受けることがありません。これがあるだけも税金で得をしているわけで、さらに20年以上勤務で大きく得。これで大きく得をするのは大企業や公務員で40年近く勤務する人でしょう。

天下りで退職金をもらう理由

(退職金-上記控除額)÷2=課税所得

になります。課税対象はさらに半分になるのです。天下りした官僚が何社も渡り歩きながらその都度退職金をもらうことがありますが、これが天下りで渡りをするメリットの一つでした。この天下りで役員などを短期で渡りを繰り返す場合の税制にはメスが入りました。

blog.blwisdom.com

新たな財源になるかも?

雇用の流動性を高めたいならこれにメスを入れるべきです。少なくとも年数関係なく1年あたり40万円でいいでしょう。40年勤務で1600万円まで非課税。中小企業ではこれ以上もらう人はそれほど多くありません。

本当は団塊の世代が退職金をもらう時に税制を変えておくべきでした。もっと税金とれていたのに。

増税したら大企業の組合と公務員の組合が大反対必至。でも退職金をもらうことのない非正規で働いている人からすればこの控除は不公平な特権です。本来なら毎年貰ったという扱いで課税されていてもいいはずのもの。それを一度にもらうと税率が高くなるので税率に対しての考慮は必要ですが、ほとんど非課税になるのは特別扱いしすぎではないかと。

確定拠出年金に切り替えている企業も多いので、雇用流動性のためにもこの控除制度は早目に改正した方がいいですね。